素敵なクッキー
先日、アトリエアンテナさんの展示と販売が大分の10tohkaという...
自分はわりと器とかが好きな方で、
陶器市などにもたまに出かけてお気に入りの器を買うのですが、
ぶつけたり、落としたりして、欠けたり割れてしまったりすることが悩みでした。
気に入っているものほど割れていきます。
そんな時に知った「金繕い(きんつくろい)」という修繕方法。金継ぎ(きんつぎ)とも言います。
日本に古来より伝わるこの粋な技で自分も直してみたいなと思い立ち、
本を買ったものの実行しないまま1年以上が経過してしまっていましたが、
ついにこの度、ブログネタのためにチャレンジしてみました。
その昔、買った本がこちら。「かんたん金つくろいブック」。
この本によると本当の金繕いは「漆(うるし)」を接着剤代わりに使うので
扱いがなかなか難しいとのこと。
手につくとかぶれたりするそう・・・
また乾燥のために数週間「室(むろ)」と呼ばれる
湿度の高い箱の中に入れるなどを繰り返さなければならないらしく、
そんなことをしていたら自分の場合は入れたことをきっと忘れてしまいそうです。
なので、この本では前半で本漆を使わない、
初心者でもできる「お手軽なんちゃって金つくろい」を紹介してくれています。
もちろん自分もこの方法でチャレンジしてみました。
用意するのはこの5つ。すべて東急ハンズで揃います。全部で1500円くらいです。
左からカッター、エポキシパテ(金属用)、新うるし(金色)、なるだけ細い筆、耐水ペーパー(400番くらい)です。
まずはパテからです。
金継ぎというと金でくっつけると思われがちですが、本漆を使う本当の金継ぎでも、あくまでも金は装飾なのです。
今回の方法ではこのパテでくっつけていきます。
これをちょびっとだけカッターで輪切りにして指でこねこねします。
このパテはとても乾燥が早く、30秒もすれば固まっていってしまうので、ちょびっとがいいです。
ちなみに、手につくとなかなかとれにくいですが、手袋をすると作業がとてもしづらいので素手で。
女性の方はゴム手袋でもすると良いです。
しっかりこねたら断面にぎゅっと押し付けながらつけていきます。
素早く破片を段差ができないようにくっつけます。
スピードが大切です。
5分もすれば固まるので、はみ出した余分な部分を落としていきます。
手でも落ちますし、細かい部分はカッターで削ります。
完全に固まってしまうと石のように硬くなるので、その前にカッターで削っておいたほうが楽です。
フチが欠けているところもパテで埋めて滑らかに削っておきます。
完全に乾いたら耐水ペーパーで水をつけながら磨いていきます。
段差がなくなるようにつるつるに。
接着が終わりました。
そしていよいよこちら、ふぐ印「新うるし」。
手についてもかぶれない、室にいれなくても乾く、新しいうるしです。
乾くまでは少し匂いがしますので、換気をおすすめします。
ちなみに左に入っている棒のようなものが「真鍮粉」です。
金は高価なので、真鍮の粉で代用します。
適当な小皿に出します。ベトベトなので捨てられるもので。例えば缶詰の裏・・・
真鍮の粉を適度に。適量がよくわかりませんが少しで。
筆でまぜまぜ。これをパテの上から塗っていきます。
うすーく、ほそーく、と唱えながら、震える手で塗っていくと完成!!
ちなみにこの新うるしは水では洗えないので、筆を一回で捨てないためにも専用の筆洗い液を買っておいたほうがいいです。
上手に塗れたら完成です。
本物の金つくろいだと時間もかかりますし大変ですが、
この方法でもお気に入りの器がさらに味わい深くなります。
くっつけるときに段差もできてしまっていますし、
金の塗り方も厚過ぎたりボコボコだったりしていますが、
器が割れる前よりかっこよく見えてきます。
お気に入りのものは長く使っていきたいものですね。
「かんたん金つくろいブック」により詳しく色んな例を交えて紹介されてますので
チャレンジされる方は見てみてください。
※本当の金つくろいとは違い、パテと新うるしという、自然由来のものではないのですが、
本によるとほとんど体に害はないとのこと。
自分の場合はもっと体に悪いものをいつも摂っている気もしますし・・・
気になる方は熱々の汁物とかは避けたほうがいいかもしれません。